1920s Louis Vuitton（ルイ・ヴィトン）ヴィトニット・キャンバス 自動車用トランク

自動車に合わせてオーダーメイドされた希少品。

1920年代頃のものと思われる、ルイ・ヴィトンの自動車用トランクです。1867年には自動車用トランクの構想を練り、1897年の自動車展示会(モーターショーのようなもの）で初めて出品したといわれています。当時は、自動車の丸みのある屋根に取り付けるタイプと、車体後部に積み重ねることができるタイプの2種類がありました。
1920年代になると、ルイ・ヴィトンはその自動車用トランクを、お抱えの運転手に盛んに売り込んだそうです。「出発時の荷造りは簡単かつスピーディで、走行中も気密性は保たれます。スーツも楽に出し入れできて、安全で快適。洗練背れた製品です。フランス運転手協会のカードを提示していただければ、あらゆる実演を無料で行います」と、運転手という職業をトランクとともにランク付けして、プロモーションしていました。

このトランクは1925年のフランス誌『オリゾン・ド・フランス』では、“グラン・トゥーリスム”と呼び、スーツケース・狩猟・買い物・テニス・キャンプの5通りに使える優れものだと紹介しています。その特徴は、木製の骨格で超軽量化していて、裏地には洗えるキャンバス生地を使い、表側は車体の色に合わせたヴィトニッと・キャンバス生地・もしくは黒く塗った牛革で覆っているとも記載されています。どちらも防水性があって洗うこともできるのが、売りでもありました。

ここで紹介するトランクは、ヴィトニット・キャンバスのもの。キャンバス素材に黒い革に似せた素材と塗装が施されたものです。本来は中に小分けされたトランクが収納されているのですが、今回のものには付属していません。しかし、この自動車トランク自体、このように販売されることは皆無に近い超希少品ですので、アンティークのルイ・ヴィトンのコレクターやファンにとっては、絶対に見逃せないと思います。

約100年前のもので細かい擦れなどはありますが、いまだに寸分狂わずしっかり開閉でき、バックルも全く引っかかりなく留めることができることに驚かされます。この精密な作りこそ、真のルイ・ヴィトンの証なのです。



Profile

GLAD HAND & Co.
アメリカのヴィンテージ古着をもとに、当時の時代背景やカルチャーをプロダクツに落とし込む人気ブランド。プロダクツや空間演出など手掛けるものは圧倒的で、その世界観を具現化するためのこだわりは、ファニチャーから雑貨まで幅広い。今回出品していただいたヴィンテージのハミルトンも、資料として長年アーカイブしてきたコレクションの一部です。


Condition
車体の外に付けて陽射しや風雨に晒されるという使用環境を考えますと、多少の使用感はありますが、非常に良いコンディションだと思います。大きな変色や擦れはありません

Spec.
サイズ：横 100 / 奥行き 51.5 / 高さ 64.5cm
重さ：28.15kg
※若干の誤差が生じますことをあらかじめご了承ください。

Detail

車体に合わせてトランクの取り付け部はカッティングされています

自動車トランク用の特殊レバー式バックル。その横にあるコの字状のパーツは、車体にこのトランクをレザーベルトで留めるための金属ループです

内側に施された革製ネームラベル。年代によって記載内容が異なる。こちらは1920年頃から見られる仕様のもの

100年近く経っても寸分狂わずに開閉できるほど精密な作りなのが、本物のルイ・ヴィトンの証。留め具も驚くほど滑らかです。細部の釘も等間隔に丁寧に打たれており、職人気質が随所に感じられます

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