別冊Lightning Vol.171 「AGING OF BOOTS」(2017/9/26発売)

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ブーツは、履き込むほどに輝きを増す。

本書は、ブーツのエイジングに着目した本である。世の中に「ブーツ」をテーマにした本は数あれど、ブーツの経年変化にのみフィーチャーした本は、おそらくこれが初めてではないか。誤解を恐れずに言えば、ブーツ、特にワークブーツは、下ろしたその日の姿がいちばん“カッコ悪い”。いわば無表情でのっぺらぼうの状態だ。その期間を我慢できず、途中でブーツを脱いでしまう人がなんと多いことか。

本書では、そんな“ブーツの未成熟期間”をものともせずに履き込み、その先の領域へと駒を進めた、美しい経年変化を遂げたブーツを全国から集め、紹介している。この本で言う“美しい”とは、単に“綺麗”という意味ではない。もちろん、丹念に磨き上げられたブーツも美しいが、手入れする時間すら惜しむかのようにワーカーやバイカーに酷使され、荒々しいシボや皺、傷の走ったブーツも、我々は“美しい”と表現する。
ブーツ・エイジングの美しさ、それは、着用者と、着用者のライフスタイルを真の意味で「下支え」するブーツとが、それこそ二人三脚で築き上げた「絆」にこそある。その結晶がエイジングであり、着用者の生き様がブーツに伝播するからこそ、そのブーツからえも言われぬ色香が発されるのだ。

「美しいエイジング」を目指してブーツを履くようでは、貴方が求めるエイジングは、きっと手に入らない。ブーツを履き続けて履き倒して、気付いたら皺、傷、擦れ、汚れすら美しく、愛おしく感じるようになっていた──これこそが、ブーツ・エイジングの妙味である。

まずはページを捲り、あらゆるブーツの多種多様なエイジングを心ゆくまで味わってほしい。そして、新しいブーツを購入して一から履き込んでみようとか、履かないで靴箱の肥やしになっていたブーツをもう一度引っ張り出し、いまいちど履いてみようと思うきっかけになったとしたら、望外の喜びである。