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記事: Tricker's(トリッカーズ)とは|歴史・定番モデル・サイズ感・経年変化まで、最初の一足を選ぶための基礎知識

Tricker's(トリッカーズ)とは|歴史・定番モデル・サイズ感・経年変化まで、最初の一足を選ぶための基礎知識

Tricker's(トリッカーズ)とは|歴史・定番モデル・サイズ感・経年変化まで、最初の一足を選ぶための基礎知識

つま先を覆う、翼のような切り替え。
その縁に穿たれた無数の穴。
ぽってりと丸みを帯びたトゥ。
トリッカーズ(Tricker's)の靴は、一度目にすると忘れにくい形をしています。

履くほどに革が沈み、足の形を覚えていきます。
ソールを張り替えれば、10年、20年と付き合っていける。
トリッカーズは、買った日よりも5年後のほうが良く見える靴を作り続けてきました。

ただ、モデルもソールも種類があり、最初の一足はどれを選ぶか迷うところ。
この記事では、トリッカーズの歴史と定番モデル、サイズの選び方、そして履き込んだ先の話まで、選ぶために知っておきたいことをまとめました。
CLUB Lightningで扱う『2nd』別注の2型もあわせて紹介します。

★編集部Pickup! トリッカーズの「アイコン2型」を、別注のネイビーカーフで

CLUB Lightningでは、トリッカーズが自ら「アイコニック」と呼ぶバートンとストウの2型を、『2nd』別注のネイビーカーフで展開しています。短靴とブーツ、同じ色で対になる2足です。

短靴|BOURTON

【Tricker's × 2nd】BOURTON NAVY CALF

【Tricker's × 2nd】BOURTON NAVY CALF

トリッカーズの顔ともいえるバートンを、定番の黒や茶ではなくネイビーカーフで。幅と甲にゆとりのあるラスト4444に、コマンドソールを合わせた別注仕様です。

参考価格:137,500円(税込)

素材:カーフ/ラスト:4444/ソール:コマンドソール

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ブーツ|STOW

【Tricker's × 2nd】STOW NAVY CALF

【Tricker's × 2nd】STOW NAVY CALF

同じネイビーカーフを、ブーツ丈のストウに。重厚なブローギングと足首まで包み込む高さは、カントリーブーツの成り立ちにもっとも近い姿です。

参考価格:152,200円(税込)

素材:カーフ/ラスト:4497S/ソール:コマンドソール

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トリッカーズ(Tricker's)とは──1829年、ノーサンプトンから

Tricker'sのタグ

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

トリッカーズの創業は1829年。
創業者はジョセフ・トリッカー(Joseph Tricker)。
場所は英国イングランド中部、ノーサンプトンです。
正式な社名は「R E Tricker Ltd」といい、現存する英国の靴メーカーとしては最も古い一軒に数えられます。

日本の公式オンラインショップは、そのルックスを「しばしば模倣されるほど個性的で魅力的」と紹介しています。
長く真似される側に立ち続けてきたということは、そこに原型があるということでもあります。
流行に合わせて細くすることも、軽くすることもしないまま、200年近くが経ちました。

ノーサンプトンのトリッカーズ工場

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

ノーサンプトンという土地の名は、革靴に興味を持ち始めると必ず目にすることになります。
この街は中世から靴づくりの集積地で、1840年の時点で1,800人以上の靴職人がいたと記録されています。
皮なめしに必要な水と、家畜から得られる革、そしてロンドンへ運ぶ街道。
条件が揃っていた土地でした。

トリッカーズの現在の工場は、1904年にノーサンプトンのセント・マイケルズ通りに建てられたものです。
この年、グッドイヤーウェルテッド製法の機械が導入されました。
手作業から機械へという転換点にあたりますが、興味深いのは、そこから百年以上経ったいまも、同じ建物で、同じ製法で作られ続けていることです。

チャールズ3世がトリッカーズに訪れた画像

公式オンラインショップ(https://www.gmt-tokyo.com/collections/trickers-henry)より

1989年には、当時のウェールズ公チャールズ殿下──現在の国王チャールズ3世──からロイヤルワラント(英国王室御用達)を授与されています。
ロイヤルワラントは、王室で5年以上にわたり継続して使用されることが授与の前提となるもので、一朝一夕では得られない認定です。

そのきっかけは、意外にも重厚なカントリーブーツではなかったと伝えられています。
故ダイアナ妃が、室内履きであるアルバートスリッパをチャールズ皇太子に薦めたことに始まる、という話です。

公式サイトには、チャールズ国王の言葉が掲げられています。
「これほど高度な技術の現場を見られるのは素晴らしいことだ」。

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

2019年には創業190周年を迎え、ノーサンプトンの工場で記念の銘板が除幕されました。
経営は創業家が5代にわたって引き継いでおり、いまも家族経営が続いています。

なお、直営店はロンドンのジャーミンストリート店が1938年から続いており、現在は東京・青山と上海にも店を構えています。
実物を確かめたい方にとっては、日本国内にも足を運べる場所があるということになります。

このブランドは、どこかの時点で名を上げて有名になった靴屋ではありません。
ずっと同じ場所で、同じ靴を作り続けた結果、気づけば最も古い作り手になっていた。
その結果として、気づけば英国で最も古い作り手になっていました。

 


カントリーブーツはなぜ生まれたか|トリッカーズの原点

Tricker'sのカントリーブーツSTOW NAVY CALF

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

トリッカーズを語るときに避けて通れないのが「カントリーブーツ」という言葉です。
直訳すれば「田舎のブーツ」。
実際、そのままの意味です。

19世紀の英国において、靴には都市のためのものと、土のためのものがありました。
舗装された街を歩く紳士の靴と、泥濘んだ農地や狩猟地を歩くための靴。
トリッカーズが作り続けてきたのは後者でした。

1848年、創業者の義理の息子であるウォルター・ジェームズ・バールトロップが、カントリーブーツの原型となるモデルを製作したと伝えられています。
防水性と耐久性を備えた、農民や地主のための実用靴。
装飾のためではなく、必要に迫られて生まれた形でした。

そして1926年、カントリーブーツはひとつの完成形に到達します。
いま私たちが目にするあの姿は、この頃にはすでに出来上がっていたことになります。

ここで、あの穴の話をしておきたいと思います。
ウイングチップの縁に並ぶ無数の小さな穴を「ブローギング」と呼びます。
今日では装飾として受け取られていますが、成り立ちは違います。
湿地帯を歩いた際に、靴の中に入った水を抜くための穴でした。

美しく見えるものが、もともとは機能だった。
トリッカーズの靴が持つ説得力は、この一点に集まっているように思います。
飾りとして考え出された形ではないので、100年経っても古びないのでしょう。

 


トリッカーズの製法とラスト|一足を支える構造

Tricker's不朽の名作 BOURTON NAVY CALF

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

トリッカーズの靴が、なぜあの形と重さを持っているのか。
その答えは、見た目よりも構造の側にあります。
製法、作り方、水を防ぐ仕組み、そして木型。
ここでは、一足を支えている四つの要素を順に見ていきます。
専門用語が続きますが、どれも「なぜ長く履けるのか」に直結する話です。

 

グッドイヤーウェルテッド製法

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

トリッカーズの靴は、グッドイヤーウェルテッド製法で作られています。

簡単に説明すると、アッパー(甲革)と中底、そして「ウェルト」と呼ばれる細い革帯を縫い合わせ、そのウェルトに本底を縫い付ける構造です。
アッパーと本底が直接つながっていません。

この構造には二つの意味があります。
ひとつは、中底とアッパーの間に空間ができ、そこに詰められたコルクが履き手の体重で沈み込んでいくこと。
履くほどに、足の形が中底に写し取られていきます。
もうひとつは、本底が擦り減ったとき、ウェルトの縫い糸を解いて本底だけを交換できること。
いわゆるオールソール交換です。

つまりこの製法の靴は、買った時点が完成ではありません。
数年履いて、ソールを交換して、また履く。
その繰り返しを前提に設計されています。

 

ベンチメイドという作り方

熟練の職人がトリッカーズの靴を作っている

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

 

トリッカーズを語るときに「ベンチメイド」という言葉が使われることがあります。
職人が同じ作業台(ベンチ)に着いて、一足を最初から最後まで手がける、という意味です。

公式サイトの記述はこうです。
「トリッカーズでは、すべての靴とブーツが、ノーサンプトンの自社工場で最初から最後まで作られる」。

分業で流していけば、もっと速く作れます。
それをしないのは、一足ごとの精度を人の手に預けているからでしょう。
トリッカーズが公表している数字によれば、グッドイヤーウェルテッド製法で作られるカントリーブーツやカントリーシューズは、一足の完成までにおよそ260もの工程を経ます。
BOURTONもSTOWも、その数を積み重ねた先にあります。

 

ストームウェルト

トリッカーズの靴には「ストームウェルト」が使われます。
アッパーとウェルトの接合部を土手のように立ち上げ、内部への水の浸入を防ぐ仕様です。
公式サイトはこれを「アッパーとソールの間に、強く、天候に耐える接合を作るもの」と説明しています。

トリッカーズの靴の輪郭が独特のボリュームを持って見えるのは、この立ち上がりによるところが大きいと言われます。
見た目の無骨さと、雨の日の実用性が、同じ一箇所から生まれている。
装飾ではなく、機能がそのまま形になっている──このブランドの靴は、どこを見てもその話になります。

 

ラストという設計図

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

靴の履き心地を決めるのが「ラスト(木型)」です。
同じ革、同じ製法でも、ラストが違えば別の靴になります。

トリッカーズには複数のラストがあり、代表的なものが二つあります。

4444──BOURTONやHENRYに用いられるラストです。
幅があり甲が高めの足に馴染みやすいことで知られ、日本人の足との相性が語られることが多いのはこちらになります。

4497S──STOWやBURFORDといったカントリー系のブーツに使われるラストです。
ラウンドトゥのボリュームが特徴で、カントリーブーツらしい重心の低い佇まいを作ります。

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

このほか、ダービーシューズのROBERTにはW2298、タウンシリーズのREGENTやBELGRAVEには4537が用いられます。

同じブランドの中でも、ラストが違えば足入れの感覚は変わります。
短靴とブーツを両方持つおつもりなら、それぞれで一度は試してみてください。

なお、トリッカーズは全モデルのラストを一覧にした表を公開していません。
気になるモデルのラストを知りたい場合は、公式オンラインショップの各商品ページや、取扱店の説明を確認するのが確実です。

混同しやすい表記について。 モデル名に添えられるM5633、M6077といった英数字は品番(スタイルナンバー)であり、ラスト番号ではありません。
頭のMはメンズ、Lはレディースを示します。
一方、4444や4497Sはラスト番号です。
数字が並ぶので混同しやすいところですが、この二つを押さえておくと、商品ページがぐっと読みやすくなります。

 


トリッカーズの定番モデル5型|公式が「Originals」と呼ぶ靴

トリッカーズ不朽の名作 BOURTON NAVY CALF

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

 

トリッカーズのラインナップは、大きくカントリーシリーズとタウンシリーズに分かれます。
泥の上を歩くために生まれた系譜と、街を歩くための系譜です。

どのモデルを定番と呼ぶかは、書き手によって変わります。
そこでここでは、ブランド自身の分類に沿うことにしました。
トリッカーズ(Tricker's)は公式サイトに「Originals」というくくりを設けており、そこに並ぶのが以下の5型です。
ブランドが自ら原点として示している靴、ということになります。

なお、日本の公式オンラインショップでモデル名に添えられるM5633などの英数字は品番(スタイルナンバー)で、ラスト番号とは別のものです。
Mはメンズ、Lはレディースを示します。

 

1. BOURTON(バートン)

トリッカーズの定番モデルBOURTON(バートン)

公式オンラインショップ(https://www.gmt-tokyo.com/collections/trickers-bourton)より

品番M5633、ラストは4444。
カントリーシリーズを代表する短靴であり、このブランドの定番として最も名前の挙がる一足です。
公式は「ノーサンプトンの靴づくりの歴史におけるアイコン」と呼んでいます。
つま先から翼のように広がるウイングチップ、アッパー全面に施されたフルブローグの穴飾り、そしてボリュームのある丸いトゥ。
トリッカーズと聞いて多くの方が思い浮かべる姿は、おそらくこれではないでしょうか。

短靴でありながら、ウェルトもヒールも堂々としています。
もともと野山を歩くことを想定した設計だからです。
革にはオークバークでタンニンなめしされたものが用いられます。
オークバークとは、カシやナラの樹皮から抽出した渋のこと。
時間のかかるなめし方で、その分だけ経年変化(エイジング)が深く出ると言われます。

公式の商品名は「Bourton Country Shoe」。
日本の公式オンラインショップではダイナイトソール仕様が主軸で、色はエイコンアンティーク、ブラックカーフなどが展開されています。

公式の言葉を借りれば「確かな存在感があり、使うために作られ、長く保つように作られた」カントリーブローグ。
デニムにもチノにも、ウールのトラウザーズにも収まる懐の深さがあります。
最初の一足として選ばれることが最も多いモデルといえるでしょう。

 

2. STOW(ストウ)

トリッカーズの定番モデルSTOW(ストウ)

公式オンラインショップ(https://www.gmt-tokyo.com/collections/trickers-stow)より

品番M5634、ラストは4497S。
BOURTONと同じ意匠を、ブーツ丈に落とし込んだモデルです。
公式の商品名は「Stow Country Boot」。
くるぶしまでを包み込む高さがあり、重厚なブローギングが施されます。

トリッカーズは自社サイトで、自らを「アイコニックなバートンのブローグと、ストウのブーツの本拠地」と名乗っています。
数あるモデルの中で、この2型が特別な位置づけにあるということです。
STOWについては「カントリーブローグ・ブーツの典型」「これ以上ないほど英国的な、デザインの古典」とも書かれています。

BOURTONが「トリッカーズの顔」だとすれば、STOWは「カントリーブーツの原点により近い姿」といえるかもしれません。
もともと土の上を歩くための靴だったことを思えば、足首まで覆うこの形のほうが、本来の用途には忠実です。

こちらもダイナイトソール仕様が主軸で、エイコンアンティーク、ブラックカーフなどの展開があります。

BOURTONと迷われる方は多いと思います。
判断の目安は単純で、トラウザーズの裾で足首を隠したいならBOURTON、足首まで靴として見せたいならSTOW、ということになります。

 

3. HENRY(ヘンリー)

トリッカーズの定番モデルHENRY(ヘンリー)

公式オンラインショップ(https://www.gmt-tokyo.com/collections/trickers-henry)より

品番M2754、ラストは4444。
サイドゴアブーツで、公式の商品名は「Henry Country Dealer Boot」。
ブランド自身がベストセラーのひとつと位置づけています。

ブローグを備えた甲に、サイドのゴアで足を入れる構造。
紐がない分だけ、輪郭がすっきりと見えます。
ストームウェルト、レザーアッパー、レザーライニング、そしてグリップを重視したコマンドソール。
公式は「農作業や登山から、きちんとした場面まで」使えると説明しており、実際にカジュアルからテーラードまで幅を持つ一足です。

トリッカーズのカントリーブーツを履いてみたいけれど、編み上げの手間は避けたい。
そういう方にとって、現実的な答えになるモデルだと思います。
脱ぎ履きの機会が多い日本の生活とも相性がいいはずです。

日本の公式オンラインショップでは、1001バーニッシュド、ブラックカーフ、エスプレッソバーニッシュドの3色をコマンドソール仕様で展開しています。

 

4. BURFORD(バーフォード)

トリッカーズの定番モデルBURFORD(バーフォード)

公式オンラインショップ(https://www.gmt-tokyo.com/search?q=BURFORD&options)より

品番M5635。
7ホールのダービーブーツです。
公式の説明を引いておきます。
「一見すると控えめだが、バーフォードは目的のために作られた清潔な7アイレットのダービーブーツである」。
別のページでは「清潔で、控えめで、静かに堅牢」「履くほどに良くなるよう設計されている」とも紹介されています。

ハーフベローズタン──甲の内側にある舌革が、途中まで両脇と繋がった構造です──が水の浸入を防ぎ、ストームウェルトがアッパーとソールを天候に強く接合します。

ラストはSTOWと同じ4497S。
つまり足入れの感覚はSTOWに近く、違うのは意匠のほうです。
ソールはコマンド、ダイナイト、ビブラム・ヴィライトから選べます。

ブローギングを持たないため、Originalsの中では最も表情が静かなモデルです。
ただし装飾を削いだ分、機能だけが残っています。
無骨さの質が、BOURTONやSTOWとは少し違うといえます。

 

5. ROBERT(ロバート)

トリッカーズの定番モデルROBERT(ロバート)

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/collections/robert-derby-shoes)より

ラストはW2298。
外羽根(オープンレーシング)のダービーシューズで、甲の上に羽根が乗る構造です。
脱ぎ履きしやすく、甲の高さにも対応します。

ソールはダイナイトまたはウルトラフレックスから選べ、カーフとスエードの展開があります。
カラーはコーヒーバーニッシュド、エスプレッソバーニッシュド、バーガンディバーニッシュドなど。

公式は「快適さと耐久性のために作られた、時代に左右されないダービー」「どんな装いにも合う汎用性を備えた、英国靴づくりの洗練された定番」と説明しています。
Originalsの中では最も端正で、スーツにも合わせられます。
カントリーブーツの無骨さが強すぎると感じられる方にとって、同じ作り手の中での選択肢になる一足です。

 


タウンシリーズという選択肢

Originalsの5型はいずれもカントリー由来の靴ですが、トリッカーズは自らを「カントリーとシティ、両方の靴とブーツを作る」ブランドと定義しています。
街の側にあたるのがタウンシリーズです。

日本の公式オンラインショップでは、REGENT(リージェント/M6140)とBELGRAVE(ベルグレイヴ/M6143)が展開されています。
いずれもラストは4537。
短いノーズ、高めの甲、セミスクエアのトゥという木型で、カントリーシリーズのボリュームとは対照的に、端正な輪郭を持ちます。
ソールはどちらもシングルレザーソールです。

トリッカーズのタウンシリーズ REGENT(リージェント)

GMT inc. 日本公式オンラインショップ(https://www.gmt-tokyo.com/pages/trickers)より

REGENTは内羽根のストレートチップ。
装飾を持たない分、スーツにもっとも素直に収まる一足で、黒であればフォーマルな場にも対応します。

トリッカーズのタウンシリーズ BELGRAVE(ベルグレイヴ)

GMT inc. 日本公式オンラインショップ(https://www.gmt-tokyo.com/pages/trickers)より

BELGRAVEは内羽根のクォーターブローグ。
全体にパーフォレーション(穴飾り)を施しながら、トゥのメダリオンは持たない意匠です。
羽根の縁が竪琴のような曲線を描くアデレード型で、ブローギングを持つ靴の中では最も静かな部類になります。

ロンドンの地名を冠する名前が示す通り、どちらも都市の側に立つ靴です。
カントリーブーツの無骨さとは対照的ですが、同じ工場で、同じ製法で作られています。

 


CLUB Lightningで手に入るトリッカーズ

【Tricker's × 2nd】STOW NAVY CALFの内側

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

 

CLUB Lightningでは、『2nd』別注のトリッカーズを2型扱っています。
BOURTONとSTOW──トリッカーズが自ら「アイコニック」と呼ぶ、あの2型です。

ただし、いずれも定番の黒や茶ではありません。
ネイビーカーフを纏わせ、標準のダイナイトではなくコマンドソールを合わせています。

ネイビーという色の選択が効いています。
無骨なカントリーブーツの形はそのままに、色だけが少し静かになる。
デニムと合わせても喧嘩せず、かといって主張を失うわけでもありません。
そしてコマンドソールが、静かになった分の重さを足元に戻しています。

 

【Tricker's × 2nd】BOURTON NAVY CALF

CLUB Lightning 公式サイトより

トリッカーズの顔ともいえるBOURTONを、ネイビーカーフで仕上げた別注です。
幅と甲にゆとりのあるラスト4444を採用しており、日本人の足に馴染みやすい木型になります。
コマンドソールとの組み合わせで、短靴でありながら足元に確かな重心が生まれます。
インソールには「2nd」の刻印が入ります。

  • 価格:137,500円(税込)
  • ラスト:4444
  • ソール:コマンドソール
  • ワイズ:5(E相当)
  • サイズ:UK5.0(23.5cm)〜UK11.0(29.5cm)
  • 素材:カーフ

この商品を見る≫

 

【Tricker's × 2nd】STOW NAVY CALF

CLUB Lightning 公式サイトより

同じネイビーカーフを、ブーツ丈のSTOWに落とし込んだ一足です。
重厚なブローギングと、足首まで包み込む高さ。
カントリーブーツの成り立ちにもっとも近い姿を、静かな色で持つことになります。
こちらもインソールに「2nd」の刻印を配し、ネイビーで統一されたトリッカーズのボックスでお届けします。

  • 価格:152,200円(税込)
  • ラスト:4497S
  • ソール:コマンドソール
  • ワイズ:5(E相当)
  • サイズ:UK5.0(23.5cm)〜UK11.0(29.5cm)
  • 素材:カーフ

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短靴とブーツ、同じ色で対になる2型です。
どちらを選ぶかは、履く場所と、足元にどれだけの重さを置きたいかで決まってくると思います。

 


ソールで変わる表情|ダイナイト・コマンド・レザーの違い

Tricker's不朽の名作 BOURTON NAVY CALF

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

 

トリッカーズの面白いところは、同じモデルでもソールによって印象が大きく変わる点にあります。
公式サイトはソールを7種類に分けて説明しており、主なものは以下の通りです。

 

シングルレザーソール

トリッカーズのシングルレザーソール

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

革の本底を一枚で使う仕様です。
軽く、輪郭が細く、返りが良い。
オイルを浸透させることでしなやかさを持たせています。
ドレスシューズ向けのソールで、タウンシリーズを中心に採用されています。
ただし濡れると滑りやすくなり、革も傷みやすいので、雨の日は避けるのが無難です。

 

ダブルレザーソール

トリッカーズのダブルレザーソール

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

レザーを二層に重ねた仕様です。
硬く、見た目にも重さが出て、そのぶん長く保ちます。
公式はカントリーブーツやハンティングブーツ、ウォーキングブーツに用いるソールと位置づけています。
同じ革底でも、シングルとは別の靴になります。

 

ダイナイトソール

トリッカーズのダイナイトソール

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

大きめの突起が並ぶラバーソール。
1894年からマーケット・ハーバラで作られています。
公式は「泥を拾わず、溜め込まない」点を挙げており、路面を選ばず履ける全天候型です。
厚みを抑えているので、ラバーながら見た目が重くなりません。
日本の公式オンラインショップでは、BOURTONとSTOWの標準仕様として採用されているのがこのソールです。

 

コマンドソール

トリッカーズのコマンドソール

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

深い溝が刻まれたフルラバーのソール。
ノーサンプトンのITSHIDE社製で、150年以上の歴史を持ちます。
公式は「もともとカントリーブーツのためのソール」であり、探検家や軍隊に選ばれてきたと説明しています。
あらゆる路面でのグリップと耐久性が持ち味です。
履き慣らしに少し時間がかかる点も、公式が正直に書いています。

 

リッジウェイソール

トリッカーズのリッジウェイソール

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

突き出したラグと、深い溝が交互に並ぶラバーソール。
コマンドソールより軽く、ダイナイトより厚い、ちょうど中間にあたる仕様です。
ゴルフ場でも使える全天候型として案内されています。

 

ビブラム・ヴィライトソール

トリッカーズのビブラム・ヴィライトソール

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

軽量のモールドラバー。
コマンドソールに似た無骨な見え方をしながら、軽く、衝撃をよく吸収します。
歩く量が多い方に向くソールです。

 

ウルトラフレックスレザーソール

トリッカーズのウルトラフレックスレザーソール

Tricker's公式サイト(https://trickers.com/)より

一枚仕立ての特殊なレザーソール。
公式は「室内履きのような快適さ」と表現しています。
ROBERTなどに選択肢として用意されています。

 

同じモデルでも、ソールが変われば別の靴になります。 BOURTONやSTOWの標準仕様はダイナイトですが、これをコマンドソールに履き替えると、輪郭の重さも、地面との距離も変わります。
別注が生まれる理由のひとつが、ここにあります。

どれを選ぶかは、履く場所で決まります。
舗装された街を主に歩くならレザーやダイナイト、天候を選ばず履き倒したいならコマンド、軽さを重視するならヴィライト、という考え方が分かりやすいかと思います。

 


トリッカーズのサイズ感と選び方

Tricker'sのカントリーブーツSTOW NAVY CALF

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

 

トリッカーズはUK表記でサイズが展開されます。
日本のcm表記との対応は、おおむね以下の通りです(CLUB Lightning取扱いモデルの表記による)。

UK cm
5.0 23.5
6.0 24.5
7.0 25.5
8.0 26.5
9.0 27.5
10.0 28.5
11.0 29.5

ハーフサイズを含め、UK5.0からUK11.0まで13サイズが展開されています。

覚えておきたいのがワイズ(幅)の表記です。
トリッカーズは「5」が標準で、日本のE相当にあたります。
幅にゆとりのある「6」で展開されるモデルもあります。

サイズ選びで最も確実なのは、実店舗で試すことです。
グッドイヤーウェルテッド製法の靴は、履き込むうちに中底のコルクが沈み、少しずつ余裕が出てきます。
つまり、試着の段階でぴったり、あるいはわずかに包まれる感覚があるくらいが、馴染んだときにちょうど良くなります。

 

履き始めは硬い、という話

Tricker's不朽の名作 BOURTON NAVY CALF

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

 

最初に知っておくと、付き合い方が変わる話をひとつ。

新品のトリッカーズは、しっかりと硬いです。

厚い革、ストームウェルトの立ち上がり、まだ沈んでいないコルク。
長く履くための構造が、そのまま最初の履き心地に出ます。
箱から出したその日にぴたりと合う、という種類の靴ではありません。

裏を返せば、これから馴染ませていく余地が残されている、ということです。
履くほどにコルクが沈み、革が屈曲を覚え、少しずつ足の形に寄っていきます。
数年かけてゆっくり進むので、変わっていく過程そのものを味わえます。

コツは、急がないこと。
最初の数ヶ月は、短時間の外出から履き始めるのが現実的です。
少し厚手の靴下を合わせる、履く日と休ませる日を交互にする。
それだけでも、当たりの出方はずいぶん変わります。
もしどこかに強く当たるようなら、購入店や修理店でストレッチという調整もできます。

そうして馴染んだ先にあるのは、既製品でありながら、ほかの誰の足にも合わない一足です。

 


経年変化(エイジング)と手入れ

経年変化したトリッカーズのブーツ

Dig-it WEBサイト(https://dig-it.media/)より

 

トリッカーズの靴を選ぶということは、その靴が変わっていく過程を、そばで見ていけるということでもあります。
何がどう変わるのか、そのために何をすればいいのかを、順に見ていきます。

 

履くほどに、靴が足を覚えていく

カーフ(仔牛革)のアッパーは、履き込むほどに、履き手の足の動きに沿って皺を刻みます。
屈曲する部分に入る皺は、その方の歩き方そのものです。
同じモデルを同じ日に買ったお二人の靴が、数年後にはまったく違う顔になります。

中底のコルクは体重で沈み、足裏の形に沿った窪みを作ります。
この変化は元に戻りません。
だから他人の靴は履けませんし、自分の靴は自分にしか作れないわけです。

 

色によって、育ち方が違う

マロンやエイコンといったブラウン系は、履き込むほどに濃さと艶が増していく過程が目に見えて分かります。
黒やネイビーは変化が穏やかで、色そのものより革の表情が育っていきます。

しっかり育てたいならブラウン系、静かに付き合いたいなら黒やネイビー。
色を選ぶことは、10年後の顔つきを選ぶことでもあります。

 

手入れは、ブラシをかけるところから

靴用ブラシの画像

難しく考える必要はありません。
やることは4つだけです。

  • 履いたらブラシで埃を落とす。 これだけで革の寿命はまったく変わります
  • 数十回に一度、クリーナーで古い油分を拭き取る
  • 乳化性クリームで水分と油分を補い、布で磨く
  • 脱いだらシューツリーを入れ、連日履かずに休ませる

毎日は必要ありません。
履いた日にブラシをかける習慣さえつけば、あとは季節の変わり目に思い出す程度で足ります。

 

ソールが減ったら、交換して履き継ぐ

そしてソールが減ってきたら、オールソール交換に出します。
これができるのが、グッドイヤーウェルテッド製法の靴の特権です。
十数年、あるいはそれ以上のスパンで付き合えます。

 


トリッカーズについてよくある質問

トリッカーズについてよくある質問

 

トリッカーズを検討される方から寄せられることの多い疑問を、五つにまとめました。

Q. BOURTONとSTOWの違いは?

意匠はほぼ共通で、丈が異なります。
BOURTONは短靴、STOWはくるぶしまでを覆うブーツ丈です。
トラウザーズの裾との収まりや、足首のホールド感で選び分けることになります。

 

Q. サイズは普段の革靴と同じで良いですか?

UK表記のため、まずcmとの対応をご確認ください。
またワイズ5(E相当)が標準です。
グッドイヤーウェルテッド製法の靴は履き込むうちに中底が沈んで余裕が出るので、試着時にぴったり感じるサイズを選ぶと、馴染んだときにちょうど良くなります。

 

Q. 雨の日に履いても大丈夫ですか?

ダイナイトソールやコマンドソールのラバー系ソールであれば、雨天でも気兼ねなく履けます。
レザーソールは晴れた日向きなので、雨の予報が出ている日は避けるのが無難です。
いずれの場合も、濡れたら陰干しし、乾いてから手入れをしてあげてください。

 

Q. ソールが減ったら交換できますか?

グッドイヤーウェルテッド製法のため、オールソール交換が可能です。

 

Q. 経年変化はどのくらいで出ますか?

履く頻度によりますが、屈曲部の皺は比較的早い段階から入ります。
革の色艶の変化や中底の沈み込みは、年単位で進んでいきます。

 


まとめ|10年先も履いている靴を選ぶということ

Tricker's不朽の名作 BOURTON NAVY CALF

Lightning公式サイト(https://club-lightning.com/)より

 

トリッカーズ(Tricker's)は、1829年から同じ場所で、同じ製法で靴を作り続けています。
その形は、装飾のために考え出されたものではなく、泥の上を歩くという必要から生まれました。
だからこそ、100年経っても古びないのでしょう。

グッドイヤーウェルテッド製法によって、ソールを交換しながら十数年単位で履き続けられます。
履くほどに革は皺を刻み、中底は足の形に沈みます。
買った日が最も美しい靴ではなく、これから作られていく靴です。

一足を選ぶとき、その靴と何年付き合うつもりかを考えてみてください。
十年先も同じ靴を履いていたい。
そう思えるなら、トリッカーズはその期待に応えられる作りをしています。

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